【5月5日 AFP】米下院の超党派議員連盟「反テロリズム議連(Congressional Anti-Terrorism Caucus)」は4日、イランの精鋭部隊である革命防衛隊(Revolutionary Guard)のアルクッズ(Al-Quds)部隊が、国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)を支援しているとする報告書を公表した。

 戦略顧問会社クロノス(Kronos)がまとめた報告書は、アルクッズ部隊とアルカイダとの関係が年々強まっていると指摘。報告書を執筆したマイケル・スミス2世(Michael S. Smith II)は、「イランはひそかにアルカイダ指導者たちと強い協力関係を築いてきた。中東と南アジアにおける米国の影響力に対抗するためだ」などと述べている。

 その上で、「アルカイダがテロリストを動員して米国と同盟国に対する攻撃を行うのを、イランが支援する可能性は高い」と警告している。

 スミス氏は、イスラム教シーア派(Shiite)で非アラブ人のイランが、イスラム教スンニ派(Sunni)でアラブ系ネットワークのアルカイダと組むことはないとの信念が「まん延」しているため、イランとアルカイダとの連携に十分な注意が払われていなかったと主張する。

 両者の関係は、1990年代にアルクッズ部隊がイランの支援するシーア派組織ヒズボラ(Hezbollah)と共同で、アルカイダの最高指導者、ウサマ・ビンラディン(Osama Bin Laden)の戦闘員に訓練や装備を提供したのが始まりだという。

 スミス氏によると、「9/11委員会報告書(9/11 Commission Report)」にも、両者の関係を指摘する内容があるとし、「9.11同時多発テロ以降、両者の協力関係はこれ以上ないほど強くなった。ビンラディン容疑者らアルカイダ指導者たちの家族や、メンバー数百人が、イラン国内にかくまわれている」という。(c)AFP