【4月26日 AFP】米国のジミー・カーター(Jimmy Carter)元大統領が26日、朝鮮半島の緊張緩和を目指して北朝鮮を訪問した。しかし韓国政府は、カーター氏の訪朝に懐疑的な姿勢を示している。

 国際人道グループ「エルダーズ(The Elders)」の一員として訪朝したカーター元大統領には、グロ・ハーレム・ブルントラント(Gro Harlem Brundtland)ノルウェー元首相、マルッティ・アハティサーリ(Martti Ahtisaari)フィンランド元大統領、メアリー・ロビンソン(Mary Robinson)アイルランド元大統領も同行した。

 カーター氏は食糧不足対策や北朝鮮の核問題をめぐる6か国協議の再開などの問題についても話し合いたい考えで、金正日(キム・ジョンイル、Kim Jong-Il)総書記や、後継者とされる三男、金正恩(キム・ジョンウン、Kim Jong-Un)氏との会談を望んでいるが、いまのところ会談の予定は組まれていない。

 一方、韓国の金星煥(キム・ソンファン、Kim Sung-Hwan)外交通商相は、カーター氏ら代表団の訪朝にはあまり期待していないと述べている。前年に南北境界線付近で起きた2回の軍事攻撃について北朝鮮は責任を認めていないため、韓国と北朝鮮の関係改善に向けた取り組みは暗礁に乗り上げている。

 カーター元大統領は、28~29日には韓国を訪問し、金星煥外相と会談する予定になっている。専門家の間では、カーター氏は今回の訪朝中に、前年11月に布教活動中に北朝鮮に拘束されたと言われている韓国系米国人の解放に取り組むとの見方も出ている。(c)AFP/Simon Martin