【4月24日 AFP】(一部更新、写真追加)イエメンのアリ・アブドラ・サレハ(Ali Abdullah Saleh)大統領が率いる与党・国民全体会議(General People's CongressGPC)は23日、サレハ大統領の辞任などを内容とする湾岸協力会議(Gulf Cooperation CouncilGCC)の調停案を受け入れることを明らかにした。

 国民全体会議のソルタン・バラカニ(Soltan al-Barakani)副事務局長がAFPに明らかにしたところによると、イエメンのアブバクル・アブドラ・キルビ(Abu Bakr Abdullah al-Qirbi)外相が、現在、湾岸協力会議の持ち回りの議長国であるアラブ首長国連邦(UAE)の首都アブダビ(Abu Dhabi)で、UAEの外相に調停案を受け入れる旨を伝えるという。

 ペルシャ湾岸の王政6か国が加盟する湾岸協力会議は、イエメンでの挙国一致内閣の樹立、サレハ大統領から副大統領への権力移譲、多数の死傷者を出した反政府デモの中止を提案していた。湾岸協力会議の調停案によれば、サレハ大統領は30日以内に辞任を議会に通知し、2か月以内に新大統領を選出する選挙が行われる。

 米国のジェイ・カーニー(Jay Carney)大統領報道官は23日、イエメン政府と野党側が、湾岸協力会議が仲介した合意を受け入れたことを歓迎するとともに、米国はイエメンの平和的な権力移譲を支持するとの声明を出した。

 一方、イエメンの野党連合コモン・フォーラム(Common Forum)はGCCの調停案を歓迎しつつ、サレハ大統領は挙国一致内閣の樹立前に退陣すべきだとの立場を取っている。

 しかし、イエメンの首都サヌア(Sanaa)で1月下旬から反政府デモを行っている反体制勢力は、あくまで現政権の即時退陣を求める姿勢を崩していない。サヌア市内の大学広場で続いている座り込みの指導者格の活動家、アブドゥルマリク・ユスフィ(Abdulmalik al-Yusufi)氏は、「GCCの調停案は、現在の情勢が2つの政党間の政治的危機であるかのように捉えている点で問題だ。我々は根本的な変革を求めて抗議行動をしている」と述べ、GCCの調停案を拒絶するコンセンサスができていると語った。

 デモ隊が「変革広場」と呼ぶ大学広場では24日未明、現政権や既存政党の打倒を求めるシュプレヒコールが上がった。(c)AFP/Hammoud Mounassar