【4月15日 AFP】リビアの最高指導者ムアマル・カダフィ(Moamer Kadhafi)大佐は14日、トリポリ(Tripoli)市内をオープンカーで走り、支持者の声援に応えた。一方、北大西洋条約機構(NATO)は同日、トリポリを戦闘機で空爆した。

 カダフィ大佐は濃いサングラスにサファリ帽姿で屋根の開いた四輪駆動車に乗り込み、拳を振り上げて沿道の支持者らに応えた。退陣を迫る欧米諸国からの外交圧力に屈しない姿勢を示すことが狙いとみられる。

 カダフィ大佐の邸宅や外国人記者の本拠地が多く集まるトリポリのバーブ・アジジヤ(Bab al-Aziziyah)地区で大きな爆発音がとどろくなか、支持者らは「神、リビア、ムアマル。それ以外には誰もいない」とのスローガンを唱えた。

 フランスは、リビア国民を守るために必要な措置すべてをとれるよう、国連(UN)安保理決議の強化を訴えたが、これを米国がはねつけたことで、NATO加盟国の間には亀裂が生じている。

 対リビア軍事作戦の指揮権をNATOに引き継いだ米国は前週、約50機の戦闘機を引き揚げた。ただ、その後もカダフィ政権軍の防空能力を破壊するための作戦には参加している。

 一方、カダフィ政権軍は同日、反体制派勢力が掌握するリビア第3の都市である港湾都市ミスラタ(Misrata)にミサイル砲や戦車で激しい攻撃を加えた。反体制派の報道官によると、この攻撃により、少なくとも13人が死亡、50人が負傷した。(c)AFP/Laurent Thomet

【動画】オープンカーに乗ったカダフィ大佐(YouTube/AFPBB News公式チャンネル)