【4月13日 AFP】中国を代表する現代芸術家で、北京五輪のメインスタジアムの設計にも携わったアイ・ウェイウェイ(艾未未、Ai Weiwei)氏が中国当局に身柄を拘束されたことについて、中国当局は12日、アイ氏の居場所についてコメントすることを拒否した。

 アイ氏は3日に、北京(Beijing)の空港で香港(Hong Kong)行きの航空機に搭乗しようとしていたところを当局に身柄を拘束されて以来、所在がわかっていない。

 中国では、中東や北アフリカでの反政府行動に触発された抗議行動が活発化し、中国当局は反体制活動家や人権活動家らの取り締まりを強めていた。アイ氏の拘束はこの取り締まりの一環とみられ、欧米諸国からは批判する声があがっている。

 中国外務省の洪磊(Hong Lei)副報道局長は、「アイ・ウェイウェイの件については捜査が行われている。共有すべき新しい情報はない」と報道陣に述べ、捜査結果が出るまで待つよう求めた。

 AFPの記者は12日、アイ氏の妻および弁護士に電話取材を試みたが、連絡がつかなかった。

 米国は前週、中国政府による人権活動家らの取り締まりを厳しく批判した。これに対し洪副報道局長は、「米国には、自国の人権問題に目を向けるよう助言する。人権について説教してまわったり、他国の内政に口を出したりするのは止めるべきだ」と米国を批判した。(c)AFP