【4月8日 AFP】米国で2011会計年度(10年10月~11年9月)予算をめぐる与野党協議が難航するなか、自由の女神(Statue of Liberty)やグランドキャニオン(Grand Canyon)などの人気観光地が閉鎖される恐れが現実的となってきた。

 米国では、連邦政府の11年度暫定予算が8日に期限切れを迎える。バラク・オバマ(Barack Obama)大統領は7日、共和党のジョン・ベイナー(John Boehner)下院議長と緊急会談を行ったが、妥結には至らなかった。8日中に与野党が合意できなかった場合、必要不可欠ではない連邦政府機関が停止に追い込まれ、連邦職員80万人に影響が及ぶ可能性がある。

 米国立公園局(National Park Service)は、予算協議が8日までに決着しなければ、同局が管理する394か所の国立公園などを閉鎖すると発表した。イエローストーン国立公園(Yellowstone National Park)など国立公園のほか、自由の女神やアルカトラズ刑務所(Alcatraz Prison)などの観光名所も対象となる。

 もし閉鎖が現実となった場合、同局で国立公園などの管理にあたる職員や協力者1万7000人のうち1万5000人が一時解雇される可能性が高いという。

 また同局では、閉鎖による経済的損失は1日あたり3200万ドル(約27億円)に上ると推計している。(c)AFP