【3月30日 AFP】「彼女は、わたしのことが好きだと言ったんだ」――。情熱的な恋愛とは無縁に見えるロシアのドミトリー・メドベージェフ(Dmitry Medvedev)大統領(45)が29日、モスクワ(Moscow)で開かれた学生たちとの対話集会で、学生時代の淡い恋の思い出を告白した。

 メドベージェフ大統領は、法律を学ぶ大学院生だった20代前半のころ、ローマ法の口述試験の担当官を務めることになった。そこで、準備不足のまま試験に臨んだ「ちょっと可愛い」女子学生に同情し、女子学生が合格できるような質問ばかりをしてあげた。

「彼女は合格した。席を立ち、ドアを閉めて試験室を出ていった。しばらくたって、またドアが開き、彼女の顔がのぞいた。そして『あなたが好き』と言ったんだ。その後すぐ、再びドアは閉まった」(メドベージェフ大統領)

 突然、愛を告白されたメドベージェフ大統領は、真っ赤になってしまった。特に女子学生が、二人称の丁寧な呼びかけ「vy」ではなく、親しい相手に使う砕けた呼びかけ「ty」を使ったことに驚いたという。

「穴があったら入りたい心地だったよ。(人生には)まだ、学ぶべきことが多くあると痛感した」と、メドベージェフ大統領は語った。

 2012年のロシア大統領選挙には、メドベージェフ大統領とウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)首相の両者が出馬すると予想されている。家庭的な雰囲気を漂わせるメドベージェフ大統領に比べ、プーチン首相は強い男のイメージを前面に押し出し、メディアが私生活に首を突っ込むことを許さない。

 大方の政治アナリストは、大統領選はプーチン氏の楽勝で、カリスマ性に欠けるメドベージェフ氏に勝ち目はないと予測している。(c)AFP