【3月28日 AFP】大統領後の混乱が続くコートジボワールで27日、アフリカ連合(AU)による調停が、調停者の人選をめぐって暗礁に乗り上げた。

 コートジボワールでは前年11月28日の大統領選挙の結果について、国際社会がアルサン・ワタラ(Alassane Ouattara)元首相の勝利を認めたものの、現職のローラン・バグボ(Laurent Gbagbo)氏が大統領職に居座り、混乱が続いている。

■AU調停者、ワタラ氏が拒否

 AUは事態の収拾に乗り出すため、調停者としてカボベルデのジョゼ・ブリト(Jose Brito)外相を選出。しかし、ワタラ氏は、バグボ氏と近い関係にあることを理由にブリト氏の調停者就任を拒否した。

 ワタラ氏は「(ブリト氏とバグボ氏の)個人的な交友関係と政治的なつながりはコートジボワールの誰もが知っている」と述べ、人選について「助言や打診のなかったことを深く憂慮する」と語った。

 バグボ氏は、ブリト氏は中立的な調停者として適任だとして人選を受け入れている。

■AU調停、暗礁に

 AUは今月、ワタラ氏を大統領選挙の勝者として正式に認めた上で、挙国一致政権を樹立してバグボ氏に「名誉ある退出」を用意すべきだと提案。バグボ氏側は挙国一致政権は拒否したものの、「コートジボワール全体での対話」については検討する姿勢を示していた。

 AUの予定では、対話は24日までに開始されるはずだった。しかし実際には、主要都市アビジャン(Abidjan)を始めコートジボワール各地で衝突が激化している。

 ある外交筋はAFPに対し、調停者の選出をめぐる不一致は大きな痛手であり、AUが適切な候補者を選出できないことはAUの信用失墜につながると憂慮を示した。(c)AFP/Christophe Parayre