チベット亡命政府で首相選、ダライ・ラマの政治的後継者の可能性
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【3月21日 AFP】インド北部ダラムサラ(Dharamshala)にあるチベット亡命政府の首相を選ぶ投票が20日、同地のほか、オーストラリアや米国など13か国で実施された。チベット仏教の最高指導者ダライ・ラマ(Dalai Lama)14世(75)が10日、権限を「自由な選挙で選ばれた指導者」にたくして政治的指導者の地位から退きたいと表明したことから、選挙の行方に注目が集まっている。
亡命政府の首相はカロン・トリパ(Kalon Tripa)と呼ばれるが、今回の首相選挙で最も有力視されているのは、米ハーバード大学(Harvard University)で国際法を研究しているロブサン・センゲ(Lobsang Sangay)氏(43)だ。センゲ氏はインド生まれで、チベットを訪れたことは、まだない。
ダライ・ラマからの権限委譲の詳細については、議会側が慰留していることもあり、今後も協議が必要だ。だがダライ・ラマの決意は固く、権限移譲は完全に民主的な段階を経たものでなければならないと注文をつけている。 その一方で、ダライ・ラマは、政治的権限を移譲したあとも、チベット自治を求める精神的な指導者としての地位にはとどまる意思を示している。
ダライ・ラマの現在の主な職務は決議への署名、内閣での宣誓、議会出席など儀礼的なものがほとんどだが、ダライ・ラマは、これらの職務も選挙で選ばれた議員らに引き継ぎたいとの意向を示している。 首相選の暫定結果は数週間以内にも発表される見通しだが、最終結果が判明するのは4月末ごろとなる。(c)AFP/Rajeshwari Krishnamurthy