【3月10日 AFP】バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領は9日、中国系米国人のゲーリー・ロック(Gary Locke)商務長官(61)を次期駐中国大使に指名した。中国系米国人が駐中国大使に指名されるのは初めて。アメリカンドリームを体現したロック氏が、複雑な二国間の関係を安定させられるかに注目が集まる。

 シアトル(Seattle)の公営住宅で育ったロック氏は、エール大(Yale University)を卒業。その後ワシントン(Washington)州知事となり、オバマ政権の商務長官となった。

 オバマ大統領とヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)国務長官とともに会見したロック氏は、1月に死去した父が生きていれば、「(駐中国大使に指名されたことを)非常に誇らしく思ってくれるだろう」と述べた。

 ロック氏の指名は、米国の歴史上ずっと「外国人」としての扱いを受けているとして不満を訴えてきた、アジア系米国人にとって画期的な出来事となる。米国では第二次世界大戦中10万人の日系米国人が拘束され、米国で生まれ育った人びとですら忠誠心が疑われたという過去がある。(c)AFP/Shaun Tandon

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