【3月8日 AFP】米国のロバート・ゲーツ(Robert Gates)国防長官は7日、2日間の日程でアフガニスタンを電撃訪問した。

 同国東部では前週、北大西洋条約機構(NATO)の軍用機が、まきを集めていたアフガニスタン人の少年9人を空爆で死亡させるという事件があったが、ゲーツ国防長官はアフガニスタン入りした際、異例ながら公式に謝罪声明を発表した。

 首都カブール(Kabul)の大統領官邸で、ハミド・カルザイ(Hamid Karzai)大統領と並んで記者会見したゲーツ長官は「この出来事はわたしたちの心を痛めた」と述べた。
 
 カルザイ政権とそれを支援する欧米諸国は、外国軍部隊が現在担っているアフガニスタンの治安活動を7月から同国の治安部隊へ徐々に移行する計画を準備している。また国際部隊は同時期から段階的に撤退を開始し、2014年末までにはアフガニスタン軍と警察が治安活動を引き継ぐことになっている。ゲーツ長官は同じ会見で戦況には楽観的だと述べ、米国と同盟国の国際部隊は計画通り、7月から撤退を始められる状況にあるとの見解を示した。

 また2014年以降の「治安協力関係」について交渉するため、米国の代表団が来週、アフガニスタンを訪問することが発表された。両国はアフガニスタンに対する長期的な米国の軍事関与に関心を示しているが、ゲーツ長官は、米軍の駐留規模は、現在の9万7000人に比べればごく小規模になると述べた。

 さらに両国の政治家の一部からは、アフガニスタンに米軍の恒久基地を設置すべきだとの声もあがっており、カルザイ大統領はこの件に関する協議も進行していると述べたが、ゲーツ長官は米国にとって「利益がない」と否定的だった。

 会見の後、ゲーツ長官はアフガニスタン南部の主要な戦闘地域を視察するため、ヘルマンド(Helmand)州にある米海兵隊基地キャンプレザーネック(Camp Leatherneck)を訪問した。(c)AFP/Dan De Luce