【3月7日 AFP】北朝鮮は7日、濃霧のなか黄海(Yellow Sea)を漂流して前月5日に韓国領海に入った漁船に乗っていた北朝鮮住民31人の送還問題について、9日に軍事境界上の板門店(Panmunjom)で南北赤十字の協議を行うことを提案した。韓国統一省が同日明らかにした。

 韓国側は4日、漁船に乗っていた男性11人、女性20人のうち、韓国への亡命を希望した4人を除く27人を板門店から北朝鮮に送還させようとしたが、北朝鮮側は31人全員の送還を求める姿勢を変えず、この日の受け入れを拒否した。

 亡命を希望しているのは漁船の船長の男性(38)、無職の男性(44)、看護師の女性(21)、統計専門家の女性(22)。北朝鮮の国営メディアは7日、協議には北朝鮮から当局者3人と亡命希望者4人の家族が出席する予定で、漁船に乗っていた北朝鮮住民も出席させるよう韓国側に要望したと報じた。

 ソウル(Seoul)にある脱北者団体の代表はAFPに対し、北朝鮮で脱北者の家族は強制労働や強制移住などの制裁が科されることが多いと指摘し、亡命希望者の家族は、脅迫されたり、制裁の軽減を提示されたりして協議への出席を強いられるのではないかと語った。(c)AFP/Jung Ha-Won