【3月3日 AFP】旧ソビエト連邦のミハイル・ゴルバチョフ(Mikhail Gorbachev)元大統領が2日、80歳の誕生日を迎え、ロシア政府から最高位勲章を授与された。

 国際的には、政治経済改革「ペレストロイカ」と情報公開「グラスノスチ」を推進し、東欧の民主化革命と東西冷戦の平和的な終結をもたらした功績で知られるゴルバチョフ氏だが、国内ではソ連を崩壊させロシアの世界的地位を低下させた張本人として長年、冷遇されてきた。
 
 ドミトリー・メドべージェフ(Dmitry Medvedev)大統領のモスクワ(Moscow)郊外の公邸に招待されたゴルバチョフ氏は、同氏の最大の批判者であるウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)首相からも祝福の言葉を贈られ、突然の待遇の変化にたいそう驚いている様子だった。

 ゴルバチョフ氏はメドベージェフ大統領の言葉をぎこちなく遮り、自身の心臓病と高齢をネタにジョークを挟んだり、「(興奮で)心臓がどきどきしている」とコメント。これに対しメドベージェフ大統領は、極めて落ち着いた態度と声で、同氏の歴史上の役割が「再評価されるのではないか」と返した。また、「あなたは非常に難しく劇的な時代にわが国を率いた。われわれは皆それを覚えている。勲章はその功績に対する国家の尊敬の象徴だ」などと述べた。(c)AFP/Olga Rotenberg