【3月3日 AFP】エジプト紙アルアハバル(Al-Akhbar)は2日、消息筋の話として、エジプトのホスニ・ムバラク(Hosni Mubarak)前大統領(82)がサウジアラビアでがんの治療を受けていると報じた。

 ムバラク氏は現在、サウジ北西のタブーク(Tabuk)にある軍事基地に滞在中で、大腸がんと膵臓(すいぞう)がんの治療のため、5日おきに化学療法を受けているという。

 ムバラク氏は前月11日に辞任して軍最高評議会に権力を移譲後、紅海沿岸のリゾート地シャルムエルシェイク(Sharm El-Sheikh)へ移動。そこで外国からの客をもてなしていた。だが、この消息筋によると、ムバラク氏は辞任の数日後にはタブークに移動し、スザンヌ夫人と2人の息子も同行したという。

 ムバラク氏がサウジへ出国したことは公式には確認されていないが、うわさは以前からあった。エジプト政府は前月28日、同氏とその家族について、海外渡航を禁止し資産を凍結する措置をとっている。

 1月25日に始まったエジプトの反体制デモによる死者は少なくとも384人、負傷者は6000人以上に上っている。(c)AFP