【2月28日 AFP】チュニジア暫定政府のモハメド・ガンヌーシ(Mohammed Ghannouchi)首相(69)が27日、辞任を表明した。後任にはベジ・カイドセブシ(Beji Caid Essebsi)元外相(84)が決まった。

 首都チュニス(Tunis)では26日から27日にかけても、ガンヌーシ首相ら暫定政府閣僚の退任を求めるデモ隊と治安部隊が衝突し、5人が死亡しており、暫定政府への不満は収まる気配を見せていない。こうしたことから、ガンヌーシ首相が辞任に踏み切ったとみられる。

 国営TAP通信が伝えた政府声明は「チュニスでは26日、暴力、略奪、騒乱、放火などの行為が横行し、治安部隊との衝突で5人が死亡した」と説明。ナイフや石を手に内務省ビルに向かったデモ隊の若者を治安部隊が制止しようとして両者が衝突。5人が死亡したほか、投石を受けるなどして治安部隊側にも16人の負傷者が出たという。

 ガンヌーシ首相は自身の辞任について、「責任逃れではない」と言明し、「私の辞任がチュニジア革命および将来のためになるだろう」と語った。

 反政府デモの拡大によりジン・アビディン・ベンアリ(Zine El Abidine Ben Ali)前大統領が亡命し、暫定政府の首相となったガンヌーシ氏は就任から6週間での辞任となった。(c)AFP