【2月16日 AFP】前原誠司(Seiji Maehara)外相とインドのアナンド・シャルマ(Anand Sharma)商工相は16日、都内の外務省で経済連携協定(EPA)に署名した。

 今後10年以内に、両国間の貿易総額の94%にあたる品目の関税を撤廃する。2009年の日印間の貿易は9000億円で日本の外国貿易総額の1%にも満たないが、EPAによって両国間の貿易拡大が期待されている。

 国内の高齢化が進み海外に新しい市場を求めている日本と、経済成長を加速させたいインドは前年、首脳間でEPA締結について合意していた。インドは日本にとって12番目の経済連携協定締結国となる。インドはすでに韓国との間で自由貿易協定に署名しているが、中国とは結んでいない。

 EPAによってスズキ(Suzuki Motor)などの日本の自動車メーカーがインド国内の組み立て工場に輸出する自動車部品にかかる関税が撤廃される。インドの後発医薬品(ジェネリック医薬品)メーカーは、高齢化が進む日本に製品を輸出しやすくなる。

 日本政府は、国会承認を経てことし夏までのEPA発効を目指す。発効後すぐに、インドから輸入されるほぼすべての工業製品が撤廃される。日本政府はさらに10年以内にカレー原料、コショウ、紅茶などを含む一部の食料品にかかる関税の撤廃も計画しているが、コメについては高い関税を維持する。

 インド側は日本から輸入する自動車部品、鉄鋼、電子製品、機械製品の関税を段階的に削減して最終的にはゼロにするが、中間所得層が拡大するにつれて販売が伸びている完成車については関税を維持する。(c)AFP/Harumi Ozawa