【2月16日 AFP】11日に米ニューヨーク(New York)で開かれた国連(UN)の会合で、インドのS・M・クリシュナ(S.M. Krishna)外相(78)がポルトガル外相のスピーチ原稿を誤って読み上げるハプニングがあり、クリシュナ外相は評判を取り戻そうと必死の様子だ。

 インドのPTI通信(Press Trust of India)によると、インド政府職員に間違いを指摘されるまで、クリシュナ外相は3分間にわたって誤った原稿を読み上げたという。

「少し個人的な話になりますが、ポルトガル語を話す2つの国、ブラジルとポルトガルがこの場に一緒に出席したといううれしい偶然に、心からの満足感を表明させていただきたいと思います」と、クリシュナ外相は国連会合で読み上げた。

 クリシュナ氏本人は、この出来事について、ニューヨークで記者団に「不適切なことは何もなかったのだ」と語り、「目の前に大量の書類が広げられていたから、間違えて誤った原稿を取り出したのだ。不運だった」と述べた。

 だが、インド紙ヒンドゥスタン・タイムズ(Hindustan Times)は外相の失態を見逃してはくれなかった。

 15日の同紙は、ポルトガルの原稿読み上げは、かつてインドのゴア(Goa)などを植民地支配したポルトガルに対する恩義を思い出させてくれるものだったと指摘し、「植民地時代の問題を捨ててしまえば、ポルトガルに感謝することはいっぱいあるのだろう。少なくとも、たまに彼らの原稿を読んであげなければならないのだ」と皮肉った。ゴアはポルトガルの影響を受けたおいしい料理で知られる。

 ムンバイ(Mumbai)のミッドデイ(Mid-Day)紙のコラムニストで広報活動の第一人者として知られるディリップ・チェリアン(Dilip Cherian)氏は、次回の内閣改造では、クリシュナ外相のポストがないかもしれないと予言する。チェリアン氏はコラムで、「デリー全体が外相を笑っている」と述べた。(c)AFP