【2月15日 AFP】イラン外務省は15日、同国の反政府デモ参加者の「勇気」を称賛したヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)米国務長官の発言について、「混乱と錯乱から発せられたもの」だと反発した。

 イラン外務省報道官は、「米高官が最近発しているコメントは、この地域が変化したことによる混乱と錯乱から生じたものだ」と述べ、「この変化は支配権力とシオニスト体制の支援者らに大打撃を与えた。だから、そういった発言をすることで問題を退けようとしているのだ」と語った。

 エジプトのホスニ・ムバラク(Hosni Mubarak)前大統領の辞任以降、米国とイランは舌戦を繰り広げている。イラン政府は、ムバラク氏の辞任を米国とイスラエルの「敗北」と呼び、米政府はエジプトの抗議デモがイランにまで広がることを願っていると主張している。

 14日にはクリントン氏が、テヘラン(Tehran)で反政府デモに参加した人びとを称賛した。

 クリントン長官は「われわれは、イラン各地の都市で路上に出た勇敢な人びとや野党勢力が、エジプトの仲間たちと同じ機会を得られることを望んでいる」と語った。さらに、「イラン市民の普遍的人権を支持する」と述べ、ムバラク氏を追放したデモ隊と「同じ権利をイラン市民も持つのは当然であり、それは彼らの生まれながらにして持つ権利なのだ」と述べた。

 また、エジプトからイランまで抗議行動の参加者たちが政治的自由の要求にインターネットを利用するなか、クリントン氏は、自由で開放されたインターネットが必要との従来からの主張を繰り返した。

 14日のイランの反政府デモでは、2009年6月の大統領選挙後の反政府デモのときと同様、外国メディアは現地取材を禁止されている。(c)AFP