【2月14日 AFP】パレスチナ自治区で総選挙が数か月後に迫るなか、パレスチナ自治政府のサラム・ファイヤド(Salam Fayyad)内閣が14日、総辞職した。自治政府最高指導者のマフムード・アッバス(Mahmud Abbas)議長は同日、ファイヤド氏をあらためて首相に指名し、組閣を命じた。

 内閣総辞職はパレスチナ自治区ヨルダン川西岸(West Bank)ラマラ(Ramallah)で14日早朝に開かれた閣議で明らかにされた。政府高官によると、総辞職は前年11月から選択肢に上がっていたが、チュニジアやエジプトでの民衆蜂起を受けて先送りとなっていた。

■「9月までに総選挙」、ハマスは拒否

 ラマラを拠点とするパレスチナ自治政府は12日、議長選挙と評議会選挙を9月までに実施すると発表。しかし、パレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)を実効支配するイスラム原理主義組織ハマス(Hamas)がただちに反対を表明した。

 2010年1月に総選挙を行う計画もあったが、アッバス議長の任期は2009年1月に終わったと主張し、同議長の正統性を認めないハマスの反対で実現しなかった。アッバス議長の任期は政治的空白を避けるため、次の選挙が行われるまで無期限に延長されている。

 前週、パレスチナ当局は7月9日に地方選挙を実施する案も発表した。実現すればパレスチナ住民による投票は2006年以来となる。

 ハマスは、パレスチナ自治政府によるすべての選挙を拒否している。そのため、選挙を実施するとしても、ヨルダン川西岸地区に限定されることになるとみられている。(c)AFP