【2月14日 AFP】エジプトの軍最高評議会(Supreme Council of the Armed Forces)は13日、国営テレビを通じて、議会を解散すると発表した。また現行憲法を停止し、民主化に向けた憲法改正の国民投票を実施すると確約。民主的な選挙への準備期間を6か月と設定した。

 一方、暫定内閣側も同日、ムバラク政権の崩壊以後、初の閣僚会議を開いているが、軍最高評議会は現在の実権の所在が軍にあることを明確にした。

 軍評議会の声明発表は、18日間にわたった民衆の抗議デモでムバラク前大統領が11日に辞任するまで、30年間にわたってムバラク統治を支えてきた政治体制に終えんを告げるものとなった。

 当面は、ムバラク政権下で国防相だったムハンマド・フセイン・タンタウィ(Muhammad Hussein Tantawi)最高評議会議長が、エジプト内外で事実上の国家元首を務めるという。

■ツタンカーメン王の木像など盗難に

 その一方で、政権打倒を求める大規模デモの混乱で、首都カイロ(Cairo)のエジプト考古学博物館(Egyptian Museum)から複数の文化財が盗難にあっていたことがわかった。エジプト考古最高評議会(Egyptian Supreme Council of Antiquities)のザヒ・ハワス(Zahi Hawass)事務局長が同日、明らかにした。

 盗まれた文化財のなかには、金箔が施された古代エジプト王朝ツタンカーメン(Tutankhamun)王の木像や銛を手にしたツタンカーメン像の一部などが含まれているという。(c)AFP/Hania el-Malawani

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