【2月13日 AFP】ロシアのセルゲイ・ナルイシキン(Sergei Naryshkin)大統領府長官は12日、訪露中の前原誠司(Seiji Maehara)外相とクレムリン(Kremlin)で会談し、北方領土に関する最近の日本側の発言を批判した。国営ロシア通信(RIA Novosti)がクレムリンの声明を引用する形で伝えた。

 これによるとナルイシキン長官は、日本政府が示した立場は「領土問題に関する議論を継続することが無意味になるような状況につながった」と述べた。クレムリンの声明は、ロシア側は従来と同じく、前提条件を付けたり、一方的な歴史的主張と関連させたりすることなく日露平和条約について議論することを希望しているとした一方、ロシア側の高官はいつでも望むときに問題の島々を訪問できると強調している。

 菅直人(Naoto Kan)首相は7日、前年11月にドミトリー・メドベージェフ(Dmitry Medvedev)大統領が国後島を訪問したことを「許し難い暴挙」と発言。これを受けてメドベージェフ大統領は、北方領土はロシアの不可分の領土だとして、同地の軍備増強を指示していた。

 11日に前原外相とセルゲイ・ラブロフ(Sergei Lavrov)外相がモスクワ(Moscow)で行った日露外相会談では、日本側が北方領土への従来からの立場を繰り返した一方、ロシア側は日本側の極端な発言を批判し、厳しい雰囲気のなか成果を挙げることなく終わった。(c)AFP