【2月3日 AFP】チュニジアの政変をきっかけに中東や北アフリカで政府への抗議行動が広がる中、反政府デモが続くイエメンでも3日、首都サヌア(Sanaa)の大学で「怒りの日」と題し、長期政権を維持してきたアリ・アブドラ・サレハ(Ali Abdullah Saleh)大統領の退陣を求める数万人規模の大きな集会が行われた。

 一方、AFP特派員によると、反政府デモの主催者は当初、市中心部のタハリール(Al-Tahrir)広場での集合を予定していたが、ほぼ同じ数の大統領の支持者たちが、中には武装した者も含めてこの広場を埋め尽くしたため、予定していた場所の変更を急遽余儀なくされた。主催者たちは早朝から車で通りを走り、新たな場所を拡声器で告げながら、変更は「与党と武装した彼らの一派がタハリールを占拠しているためだ」と非難してまわった。

 変更後の場所となった大学には午前中のうちに数万人が集まった。一方、2キロしか離れていないタハリール広場の大統領派も同数程度に膨れ上がった。

 先日から退陣要求を突きつけられているサレハ大統領は2日、次期は続投しないと宣言し、また終身大統領制を可能にする憲法改正案を凍結すると表明した。さらに世襲制にも反対すると述べ、批判派の間で憶測されている息子アフメド・サレハ(Ahmed Saleh)氏への権力継承を行わない意向を明らかにした。現在息子のアフメド氏はイエメン軍のエリート部隊の司令官を務めている。(c)AFP/Hammoud Mounassar and Jamal al-Jaberi

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