【2月2日 AFP】北朝鮮が、これまでに明らかになっている核施設のほかに、少なくとも1か所の軍事用核施設を秘密裏に保有している可能性があるとの報告書が国連安全保障理事会(UN Security Council)の北朝鮮制裁委員会に提出された。複数の外交官が1月31日に明らかにした。

 報告書は、前年11月に北朝鮮の寧辺(Yongbyon)にある核関連施設を視察した米科学者、ジークフリート・ヘッカー(Siegfried Hecker)氏がもたらした証拠に基づくもの。報告書に目を通した複数の外交官によると、北朝鮮は1990年代に国際社会に気づかれることなく、この核施設の建設に着手したとみられるという。

 ある外交官は「この報告書には、寧辺の遠心分離器は寧辺に据え付けられる前に少なくとも1か所の別の施設で稼働していたに違いないと書かれていた」と述べた。別の外交官は「この装置は1990年代には稼働していたとみられ、それには外国の協力があったはずだ」と語った。

 報告書は北朝鮮の核開発に協力したとみられる国は名指ししていないが、欧米諸国はイランと北朝鮮が核開発で協力していると批判してきた。報告書が未公表であるため、いずれの外交官も匿名を条件にAFPに語った。(c)AFP