【2月2日 AFP】エチオピアの首都アディスアベバ(Addis Ababa)で1月30、31日の両日行われたアフリカ連合(African UnionAU)首脳国会議(サミット)に出席した各国の首脳が市内の移動に使ったのは、エチオピア帝国時代にまでさかのぼるビンテージ車だった。

 エチオピア最後の皇帝ハイレ・セラシエ(Haile Selassie)は、アフリカ統一機構(Organisation of African UnityOAU)が発足し、本部がアディスアベバに設置された1963年に、メルセデスベンツ230s(Mercedes-Benz 230s)を多数買い入れた。

 そして、48年後の現在、その車両がAU各国首脳たちを乗せて市内を走った。

 運転手のメレセ・シベシ(Melese Shibeshi)氏は、モザンビーク国旗の揺れる暗赤色のメルセデス230に誇りを持っている。「われわれはこの車たちがどのように作動しているか良く知っているが、他の人には運転も難しいだろうね」

 ハイレ・セラシエ皇帝が一括購入した1963年の10年後にも、エチオピア帝国高官がドイツに赴き、当時の新型車を買い付けたという。

 シベシ氏は、「この車たちは、ありとあらゆる人びとを乗せたね」と振り返ったが、例外がいることを思い出した。今回の首脳会議に参加しなかったリビアの最高指導者ムアマル・カダフィ(Moamer Kadhafi)大佐だ。「彼はいつも自前の車を持ち込む。いつも新車だよ」

(c)AFP

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