【1月30日 AFP】エチオピアの首都アディスアベバ(Addis Ababa)で30日、2日間の日程でアフリカ連合(AU)首脳会議(サミット)が開幕した。大統領選の結果をめぐって混乱が続くコートジボワールの政治的危機やデモが続いているエジプト情勢について、アフリカの指導者たちが打開策を模索する。

 コートジボワールでは、11月の大統領選でアルサン・ワタラ(Alassane Ouattara)元首相が当選したにもかかわらず、ローラン・バグボ(Laurent Gbagbo)氏が大統領辞任を拒否している。出席した国連の潘基文(パン・キムン、Ban Ki-moon)事務総長は29日夜、バグボ氏側が求めた票の数え直しは「大きな不正義」であり、「不幸な前例」になるだろうとの懸念を表明した。そして、バグボ大統領の「平和で栄誉ある」退陣が重要であり、ワタラ氏には「挙国一致内閣の発足」を求めた。

 AUはコートジボワールで対立するワタラ氏とバグボ氏に1か月以内に拘束力のある勧告を行うために、アフリカの国家元首5人からなる委員会を発足させると28日に発表した。AU委員会のジャン・ピン(Jean Ping)委員長は29日、新委員会について、交渉を通じてワタラ氏の「(大統領としての)権限行使」をしやすくするものだと説明した。

 このほかサミットでは、今月上旬に23年間続いたジン・アビディン・ベンアリ(Zine El Abidine Ben Ali)前大統領による強権体制を崩したチュニジアの「ジャスミン革命」や、その後始まったエジプトの反政府デモなどについても話し合われる。エジプトではデモが始まった25日以降100人を超える犠牲者が出ており、ピン氏はAUとしても懸念していると述べた。(c)AFP