【1月28日 AFP】チュニジアやエジプトで政府に対する市民の抗議活動が広がる中、アラブ最貧国のイエメンでも27日、30年以上政権の座に就くアリ・アブドラ・サレハ(Ali Abdullah Saleh)大統領の退陣を求める数千人規模の反政府デモが行われた。

 首都サヌア(Sanaa)では4か所で野党勢力主導の抗議デモが行われ、参加者らは口々に「30年も政権に居座れば十分だ」「(チュニジアのベンアリ前大統領は)たった20年で去った」などのスローガンを声高に叫んだ。

 前日26日には、港町アデン(Aden)で28歳の男性が抗議の焼身自殺を行ったという。イエメンで市民が抗議のため焼身自殺をするのはこの男性で4人目。

 こうした動きに対し、ムタハル・ラシャド・マスル(Motahar Rashad al-Masri)内相は、イエメン国内でのデモにはチュニジアの「ジャスミン革命」との類似性は見られないと否定。「イエメンはチュニジアとは違う。イエメンは民主国家だ」とAFPに述べた。

 1978年から政権の座にあるサレハ大統領は2006年、任期7年で再選された。現在は、終身大統領制を可能にする憲法改正案の審議が議会で進んでいるが、野党は反発している。(c)AFP/Hammoud Mounassar