【1月26日 AFP】米国のバラク・オバマ(Barack Obama)大統領は25日、今後1年間の施政方針を示す一般教書演説を行い、世界経済を動かすルールが変わりゆく中、米国に必要なのは技術革新の強化による競争力の維持だと国民に訴えた。

 ホワイトハウスが事前配付した原稿によると、オバマ大統領は経済の現状について評価するにあたり、まず過去を振り返り、グローバル化以前の時代には、多くの米国人の記憶にあるように、懸命に働けば、きちんとした給料と相当の福利を生涯得ることのできる仕事が手に入ったと前置きした。しかし「もはや世界は変わった。そして、多くの人びとにとって、その変化は今も痛みを伴っている」と厳然と述べた。

 そして「ルールは変わった。1世代の間に、技術革新がわれわれの暮らし方、働き方、仕事の仕方を変化させた」と述べ、インドや中国といった新興大国が今や非常に高い競争力をもつようになったと指摘した。しかし米国は依然、世界で最も繁栄する経済大国であり、戦いをあきらめないようにと国民を鼓舞した。「つまり世界は変化した。雇用をめぐる競争は現実のものだ。しかし、それによってわれわれ(米国民)はくじけるべきではない。奮い立つべきだ」

 一方、外交面では、北朝鮮とイランの核開発問題に言及した。北朝鮮については「朝鮮半島において、わが国は同盟国である韓国を支持し、北朝鮮が核兵器を放棄する努力を継続するよう強く求めている」と述べた。イランについては、「イランに義務を果たすよう迫る外交努力のおかげで、イラン政府はかつてないほど厳しい制裁に直面している」と述べ、イランに対し、米国や欧米諸国がかけてきた圧力の成果を強調した。(c)AFP