【1月12日 AFP】中国初のステルス戦闘機「殲20(J20)」の試作機が11日、初めて試験飛行を行った。

 中国国営メディアは、J20が試験飛行を行っているとする写真を公開した。だが、米中の軍事的関係の修復のためロバート・ゲーツ(Robert Gates)米国防長官が訪中したタイミングで行われたことを、米国は冷ややかに受け止めたようだ。

 ゲーツ長官は胡錦濤(Hu Jintao)国家主席との会談後の記者会見で、胡主席に試験飛行について尋ねたことを認めた。胡主席の返答は、試験飛行はあらかじめ予定されていたもので、ゲーツ長官の訪中とは一切関係ないというものであり、長官もこの説明に納得したという。

 米国防総省高官によると、胡主席および会談に同席した文民らは、試験飛行について全く知らなかったという。このことは、人民解放軍の役割について新たな疑問を投げかける。

 ゲーツ長官をはじめとする米政府高官は、人民解放軍が文民指導者以上に対米強硬路線を強めていると指摘、米中軍事交流への努力を人民解放軍の上層部が阻害していることを示唆している。(c)AFP/Dan De Luce