【1月10日 AFP】中国を訪問中のロバート・ゲーツ(Robert Gates)米国防長官は10日、北京(Beijing)で約2時間にわたり中国の梁光烈(Liang Guanglie)国防相と会談した。

 会談後の共同記者会見で両氏は、安全保障分野の連携強化や軍事交流を米中双方が望んでいると語ったが、来週の胡錦濤(Hu Jintao)中国国家主席の訪米を前に、両国間の懸案事項に大きな進展はなかった。

 梁国防相は、米国が台湾に武器を売却する方針について「中国の立場は明確で一貫している。われわれは反対だ」と述べた。これまで中国は、台湾への武器売却を理由に米国との軍事交流を度々中断している。梁国防相は米国が次に台湾に武器売却を行った場合の軍事交流の継続については触れなかった。

 ゲーツ国防長官は、核兵器やミサイル防衛、宇宙やサイバー兵器などの問題を扱う「戦略的対話」の開催を呼びかけたが、中国側は開催について検討すると述べるにとどめた。

 米軍指導部は、中国が高精度のミサイルや衛星、サイバー兵器、戦闘機などの獲得状況に懸念を示しており、定期的な安全保障対話が無いことが両国間の緊張を高め、危機につながりかねないとしている。ゲーツ国防長官も北京入りする直前の9日、中国の対艦ミサイルと新型ステルス戦闘機に対する懸念を表明していた。

 ゲーツ氏は、10日の会談では朝鮮半島の緊張についても触れたと語り、緊張緩和に向けた北朝鮮に対する中国の役割についても話し合ったと述べた。ゲーツ長官はこの後主に朝鮮半島情勢を話し合うため12日に日本を、14日に韓国を訪問する。(c)AFP/Dan De Luce