【1月9日 AFP】スーダン南部の分離独立の是非を問う住民投票が9日午前8時(日本時間同日午後2時)に始まった。

 投票は7日間にわたって行われ、結果は単純多数で決まる。今回の住民投票は、約200万人が死亡した1983~2005年の南北の内戦を終わらせた2005年の包括和平合意の柱。前夜から多くの有権者が投票所前に列を作るなど有権者の出足は好調だが、住民投票が有効となるには60%以上の投票率が必要とされているため、スーダン南部の自治政府は有権者に投票を呼びかけている。

 スーダン内戦が終結するまでの15年間、北部の軍事行動を指揮したオマル・バシル(Omar al-Beshir)大統領は、自由で透明性がある住民投票が行われれば投票結果を尊重するとしている。バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領は8日の米紙ニューヨーク・タイムズ(New York Times)に寄稿し、スーダン政府が2005年の和平合意で定められた義務を履行し住民投票結果を尊重すれば、米国はスーダンをテロ支援国リストから外す可能性があると表明した。

 スーダンは1956年に英国から独立して以来、アラブ系イスラム教徒が多い北部と、アフリカ系キリスト教徒が多い南部の間で、宗教、民族、イデオロギー、そして石油に代表される資源をめぐる紛争が続いてきた。スーダン南部が独立すれば、193番目の国連加盟国が誕生することになる。(c)AFP/Peter Martell