【1月3日 AFP】ベトナム戦争当時、米軍が散布した枯葉剤の汚染除去作業が、今年7月からベトナム中部ダナン(Danang)の空港で始まる。米大使館が12月30日に明らかにした。

 除去作業が行われるのはベトナム戦争時に米軍が基地として使用していた空港。ベトナムと米国は「両国政府の希望により、11年7月に汚染除去作業を開始し13年10月までに完了することで協力することを確認する」内容の基本合意書に署名した。

 ベトナム戦争時、米軍はダナンなどの基地から飛び立つ航空機で、枯葉剤など、発がん性物質であるダイオキシンを含む除草剤を散布した。生い茂る森林の葉を枯れさせて共産軍の隠れ家を奪い、食料を絶つことが狙いだった。

 汚染除去の前段階として、米国は2009年、汚染した土壌を安全に廃棄できる埋め立て地を確保していた。

 マイケル・ミハラク(Michael Michalak)米大使は12月30日の署名式の際、ダナンの汚染除去のために米政府は2010年に1700万ドル(約14億円)近い予算を準備していると語った。最終的な費用総額は3400万ドル(約28億円)になる見込み。

 2010年にベトナムの医師が米議会で行った証言によると、ベトナム戦争時に米軍が散布した除草剤により、300万人を超えるベトナム人が被害を受けた。(c)AFP