【12月20日 AFP】韓国軍合同参謀本部は20日、同国が黄海(Yellow Sea)上の軍事境界線と定める北方限界線(NLL)以南の海域で射撃訓練を実施すると発表した。時間は明らかにされていないが、韓国の聯合(Yonhap)ニュースは同日午前11時から正午までと伝えている。

 これに伴い、延坪島(Yeonpyeong)を含む周辺海域の島々の全住民に避難所への退避勧告が出された。

 延坪島入りしているAFPカメラマンによると20日朝、島内に設置された拡声器から、射撃訓練が実施されるとの発表があった後、島民、報道関係者、政府担当者ら全員に対し、30分以内に避難所に退避するよう通告があったという。

 延坪島では前月23日、韓国軍の射撃訓練に反発した北朝鮮が170発あまりの砲撃を加え、民間人を含む4人が死亡し、多数の家屋が被害を受けた。さらに、北朝鮮は韓国側が再び射撃訓練を実施するならば、報復措置をとると警告している。

■安保理、声明案合意に達せず

  一方、国連安全保障理事会(UN Security Council)は19日、緊迫する朝鮮半島情勢について協議するため緊急会合を開いたが、声明案の合意には達しなかった。ただ、協議は今後も継続される。

 複数の外交筋によると、11月23日の北朝鮮による韓国・延坪島(Yeonpyeong)への砲撃について、西側諸国は北朝鮮を名指しで非難する表現を盛り込んだ声明案を提案したが、中国はこれを拒否した。

 ロシアのビタリー・チュルキン(Vitaly Churkin)国連大使は声明案の合意には達しなかったと述べ、米国大使は「溝は埋まりそうにない」との見方を示した。(c)AFP

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