コソボのサチ首相が臓器密売に関与か、民族紛争時
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【12月16日 AFP】コソボのハシム・サチ(Hashim Thaci)首相が、コソボ紛争(1998-99)中にセルビア人捕虜の組織的な臓器売買に関与していたと告発する報告書の概要が14日、欧州連合(EU)欧州会議(Council of Europe)のウェブサイトに発表され、物議を醸している。
報告書は、スイスの元検事のディック・マーティー(Dick Marty)上院議員がまとめた。16日に仏パリ(Paris)で開かれる欧州会議の司法委員会に提出し、合わせて同上院議員が記者会見する。
これに先だって公表された要約版によると、サチ首相はコソボ紛争時、アルバニア系武装組織「コソボ解放軍(Kosovo Liberation Army、KLA)」の中で強力な影響力を持っていたドレニツァ・グループ(Drenica Group)の「ボス」だった。このグループは地域の組織犯罪を支配し、アルバニア北部でセルビア人やKLAと対立したアルバニア人らを秘密裏に拘束していた証拠が多数あるという。
捕虜らは、非人道的な扱いをされたうえで殺害されていたとされ、サチ首相らが「捕虜の臓器を強制的に摘出し密売する」組織を牛耳っていたと、報告書は糾弾している。
コソボ政府は、報告書は「捏造(ねつぞう)」されたものだと反発しているが、欧州連合(EU)や米国はサチ首相から詳しい事情を聞く必要があるとの考えを表明している。(c)AFP/Ismet Hajdari