【12月14日 AFP】バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領は13日、小学校などで提供される給食を改善し、子どもたちの飢えや肥満をなくす取り組みに関する法案「Healthy, Hunger-Free Kids Act(健康で飢えることのない子どもたち法)」に署名した。

 ワシントンD.C.(Washington D.C.)市内の小学校で行われた署名式で、オバマ大統領は「現在、全米の多くの子どもたちが給食を利用できていない状況にある。また学校が提供する食事も、多くが健康的なものではない」と述べ、新たに成立した法律は、憂うべき子どもたちの健康状態を「赤字を1ドルも増やすことなく」改善するものだと説明した。

 式典には、子どもの肥満撲滅運動「レッツ・ムーブ(Let's Move、体を動かそう)」を2月に立ち上げたミシェル・オバマ(Michelle Obama)夫人も出席した。

 米国では、本来、成人病である高血圧や高脂血症、2型糖尿病と診断される子どもたちが増加しており、3人に1人が肥満か太りすぎと診断されている。その一方で、家計が苦しいために食事をしばしば抜かざるをえない家庭の子どもたちも1700万人に達する。

 新法の下で、米国は10年間で45億ドル(約3750億円)の予算を子どもたちの栄養改善プログラムに計上し、現在給食を利用できていない子どもたちも利用できる態勢を整える。さらに、学校で提供される食事には、農務省が設定する栄養ガイドラインを適用する。このガイドラインは、自販機で販売されている飲食物も対象となる。 

 9月に発表された統計によると、米国の子どもたちの肥満に関する医療コストは年間143億ドル(約1兆2000億円)に上っている。(c)AFP