【12月11日 AFP】ヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)米国務長官は10日、イスラエルとパレスチナ自治政府との和平交渉について中核的問題に速やかに取り組むよう双方に求め、交渉の新たなスタートに向けて取り組んでいく意向を示した。

 3か月前に始まった中東和平の直接交渉は、イスラエルがパレスチナ自治区ヨルダン川西岸(West Bank)への入植凍結を拒否したことで、成果を挙げることなく事実上の失敗に終わった。

 パレスチナ側は、イスラエルとの直接交渉再開の条件として、ヨルダン川西岸と東エルサレム(East Jerusalem)への入植の凍結を求めているが、バラク・オバマ(Barack Obama)政権は7日、イスラエルに入植活動の再凍結を説得するのを断念したと表明していた。

 米国、イスラエル、パレスチナの主要関係者も出席する中で講演したクリントン長官は、直接交渉ができないとしても、双方を分断している中核的問題に取り組むべきだと双方に呼びかけ、「境界と治安、入植、水資源、難民、エルサレムなどの核となる課題に取り組むべきときだ」と述べた。

 さらに、「今後われわれのイスラエル・パレスチナ双方との議論は、双方向の実質的なものになる。将来的な枠組み合意に向け、今後数か月以内に重要問題で本物の成果を出すことを目指す」と語った。

 米政府高官らは依然として、当初の設定期限である2011年8月までに、中核的問題で合意に達することは可能だと主張している。

 ジョージ・ミッチェル(George Mitchell)米中東和平担当特使は13日に中東に戻り、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相、パレスチナ自治政府のマフムード・アッバス(Mahmud Abbas)議長とそれぞれ会談し、その後アラブ諸国と欧州を歴訪する予定。(c)AFP/Lachlan Carmichael