中国の次期主席はハリウッド映画がお好き、ウィキリークス
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【12月9日 AFP】中国の次期最高指導者と目されている習近平(Xi Jinping)国家副主席は米ハリウッドの戦争映画の大ファンで、中国映画は気に入らないらしい――。内部告発サイト「ウィキリークス(WikiLeaks)」が公開した2007年の米外交公電で、めったに明かされない中国高官の趣味が暴露された。
■「壮大で誠実」、ハリウッドを絶賛
この公電は、当時のクラーク・ラント(Clark Randt)駐中国米大使が、浙江(Zhejiang)省の共産党委員会書記だった習氏と交わした会話の内容を伝えたもの。これによると、習氏は第2次世界大戦のノルマンディー上陸作戦を描いたスティーヴン・スピルバーグ(Steven Spielberg)監督の映画『プライベート・ライアン(Saving Private Ryan)』(1998年)を「非常に楽しんだ」と語っている。
習氏は、特に第2次大戦を扱った戦争ものがお気に入りで、今後も米国には戦争映画を作り続けてほしいとの希望を示した。「ハリウッドはこの手の映画を作るのがうまい。壮大で誠実な作品ばかりだ」などと述べたという。
また、太平洋戦争時の硫黄島での日米激戦を描いたクリント・イーストウッド(Clint Eastwood)監督の『父親たちの星条旗(Flags of our Fathers)』(2006年)について、DVDを入手したものの多忙で、まだ見る時間が取れないと話していた。
戦争映画ではないが、マーティン・スコセッシ(Martin Scorsese)監督のマフィア映画『ディパーテッド(The Departed)』(2006年)も好きな映画だと語ったとされる。
■中国映画は「欧米に迎合」「わかりにくい」
「米国人は明確な価値観を持ち、善と悪を区別する。だから米国映画では、善が勝利するのだ」と、習氏は米国映画を絶賛。対照的に、自国である中国の映画には「中国人監督の中には、広めるべき価値観を無視している者がいる」「中国の映画人たちは、外国人の関心事や先入観に迎合した映画を作りすぎる。ときには卑屈なほどだ」などと不満を漏らした。
国際的にも著名なチャン・イーモウ(Zhang Yimou)監督の歴史大作『王妃の紋章(Curse of the Golden Flower)』(2006年)は「複雑でわかりにくい」と論評。
国内で幅広く人気を得ているカンフーアクション映画にも批判的で、世界的に大ヒットした台湾のアン・リー(Ang Lee)監督の歴史活劇『グリーン・デスティニー(Crouching Tiger, Hidden Dragon)』(2000年)についても、「(カンフー映画の)内容はみな同じだ。王朝の悪い面ばかりを描いている」とこき下ろしたという。
10月に共産党中央軍事委員会の副主席に任命された習氏は、2013年に胡錦濤(Hu Jintao)氏の後任として国家主席の座に着く人物とみられている。(c)AFP