【12月3日 AFP】国際原子力機関(IAEA)の天野之弥(Yukiya Amano)事務局長は2日、オーストリア・ウィーン(Vienna)の本部で始まった定例理事会で、北朝鮮の新設のウラン濃縮施設に対して「重大な懸念」を表明した。

 また、理事会後の記者会見では、シリアの核開発疑惑をめぐり、IAEA事務局長として初めて同国政府に直接書簡を送ったことを明らかにした。これについて関係筋の複数の外交官は、天野事務局長が近くシリアに対し、より強制力のある「特別査察」を要求するのではないかとの見方を示している。

 一方、内部告発ウェブサイト「ウィキリークス(WikiLeaks)」が公開した2009年12月の米外交電文で、イランから戻ったIAEAのヘルマン・ナッケルツ(Herman Nackaerts)査察官が米外交官に査察内容を報告していたことについて聞かれると、天野氏は「(IAEA)加盟国から流出した内部資料についてコメントするのは不適切」と回答。「加盟国とコミュニケーションを取るのは日常業務の一部であり、何の問題もない」と反論した。

 理事会は2~3日の2日間の予定。(c)AFP/Simon Morgan