【11月30日 AFP】イランの最高指導者、アリ・ハメネイ(Ali Khamenei)師は末期がんで「数か月以内に死亡」する可能性もあると、内部告発ウェブサイト「ウィキリークス(WikiLeaks)」が公開した2009年8月の米政府外交公電で述べられていた。英紙テレグラフ(Telegraph)が伝えた。

 テレグラフ紙によると、この公電は駐イスタンブール(Istanbul)米領事が送ったもの。ハメネイ師がまれなタイプの白血病と診断されていると、イランのアクバル・ハシェミ・ラフサンジャニ(Akbar Hashemi Rafsanjani)元大統領と近いビジネスマンが述べたという。

 公電が送られた当時は、ラフサンジャニ氏がマフムード・アフマディネジャド(Mahmoud Ahmadinejad)大統領の再選を阻止しようと画策していた。アフマディネジャド氏は公電の直前の6月に大統領に再選されたばかりで、テヘラン(Tehran)では再選をめぐり大規模な抗議デモも起きていた。

 公電によると、「(この情報の)結果、ラフサンジャニ氏は(最高指導者を選出する権限がある)専門家会議(Assembly of Experts)内部でハメネイ師に挑戦するのをやめ、『自然のなりゆきにまかせる』ことにした」という。「最高指導者の死去後に、ラフサンジャニ氏は専門家会議が自分を最高指導者に指名するよう画策する考えだ。それが成功すれば、アフマディネジャド氏に辞任を求め、大統領選挙を行うつもりだ」と公電は述べていた。

 強硬派のハメネイ師は国政の最高権力を持ち、たびたび米政府の政策を批判している。ハメネイ師の死期が近いとの確度の高い情報があったとすれば、外交関係に根本的な転換をもたらしただろう、とテレグラフ紙は指摘した。

 いまもハメネイ師ががん治療を受けているとのうわさは頻繁に浮上するもの、29日にはレバノンのサード・ハリリ(Saad Hariri)首相と会談するハメネイ師の写真が公開されている。(c)AFP