【11月20日 AFP】インド情報・放送省は、テレビのリアリティー番組が成人向けに過激になっているとして、午後11時前に放送することを禁止した。インドの英字紙インディアン・エクスプレス(Indian Express)が18日、伝えた。

 インディアン・エクスプレスによれば、インド情報・放送省の新たな規制により、同国で大人気のテレビ番組「ビッグボス(Bigg Boss)」と「Rakhi ka Insaaf(ラーキーの正義)」が影響を受ける。

 インド情報・放送省高官は同紙に「番組プロデューサーに番組内容の改編を求めたり、番組を検閲したり、そういったことは行っていない。ただ割り当てた放送時間枠を変更しただけだ」と語ったという。

 しかし、この2番組は現在もゴールデンの時間帯に放送されている。政府当局や放送局は、この新たな規制についてのコメントを拒否した。

■過激なリアリティー番組が人気

 ビッグボスはリアリティー番組「ビッグ・ブラザー(Big Brother)」のインド版で、現在第4シーズン。女優パメラ・アンダーソン(Pamela Anderson、43)の参加が決まり、話題になったばかり。それでなくても、キスや「ののしり言葉」の連発でいつも話題になっている番組だ。

「ラーキーの正義」は、インドのボリウッド(Bollywood)ダンサーで「頑固者」のラーキー・サワント(Rakhi Sawant)が人びとの悩みごとを解決するという番組。参加者の1人が自殺する出来事があり、番組をめぐる議論が沸騰したばかり。

 自殺した男性の遺族は、結婚生活に悩む男性をラーキーが「インポテント」呼ばわりしたために、うつ病を発症して自殺したとして、ラーキーを非難している。

■ボリウッド監督「親の責任」

 一方、ボリウッド監督のファラー・カーン(Farah Khan)は、この規制に抗議を表明。規制は偽善であり、子どもがどの番組を見るかは親が責任を持つべきだと批判した。

 情報・放送省は、3月にもフランスの「ファッションTV(Fashion TV)」が2009年のファッションショーの番組で胸を露出したモデルの映像を流したことがわいせつ法に違反するとして、同放送局を9日間の放送停止処分にしていた。(c)AFP