【11月13日 AFP】北朝鮮が核兵器や弾道ミサイル関連の物品や関連技術を、秘密裏にイラン、シリア、ミャンマーに提供しているとする国連(UN)安全保障理事会・北朝鮮制裁委員会の専門家パネルが作成した報告書が12日に公表された。

 これによると北朝鮮は制裁を逃れるため、コンテナに偽の表示を付けたり、書類を偽装したり、多数の企業や金融機関を関与させたりするなどの手法をとっていた。また輸送の途中で貨物検査を受けないよう、外国船籍の船や北朝鮮から中東まで途中で給油せずに行けるジェット貨物機などを利用していた。

 北朝鮮が2009年5月に核実験を実施したことを受け、国連安保理は同年6月、北朝鮮の核・ミサイル開発に関連する恐れのある貨物の検査強化と資金などの資産の移動の禁止、軽火器を除く武器の禁輸などを加盟国に求める対北朝鮮制裁を決議していた。

 国連は8つの組織と5人の個人を資産凍結や旅行の禁止などの制裁対象に指定しているが、今回の報告書は核関連の取引に関与している団体・個人はこれよりはるかに多いとして、制裁対象に追加すべき金融機関などの団体を挙げるよう各国に呼びかけている。

 報告書は北朝鮮が核兵器開発計画や核兵器以外の大量破壊兵器の保有、弾道ミサイル開発をやめる兆候はないとしている。国連の制裁委員会は北朝鮮が制裁を逃れるためにとった巧妙な手法の詳細な調査が必要だとしている。外交筋によるとこの報告書は5月に制裁委に提出されていたが、常任理事国の中国が公開に反対していたため、約6か月間公表されなかった。(c)AFP