【11月10日 AFP】ミャンマー当局に不法入国容疑で拘束されたAPF通信(APF News)の山路徹(Toru Yamaji)代表が9日、国外退去処分を受けた。

 同国の匿名の当局者が同日、山路氏を釈放し、国外退去させたことを明らかにした。「状況が込み入っているため、法的措置をとらないことにした」と説明している。

 APF通信も同日、山路氏が釈放され、タイに入国したことを確認した。本人から、健康状態は良好で、ホテルに向かっているとの連絡が入ったという。

 山路氏は7日、ミャンマー総選挙の関連取材のため、タイから国境を越えてミャンマー東部ミャワディ(Myawaddy)に入ったところを拘束された。翌8日、同地では政府軍と少数民族カレン人の武装勢力の大規模な衝突が発生している。
 
 ミャンマーの軍事政権は、20年ぶりの総選挙にあたり、国際選挙監視団や外国人記者の入国を認めなかった。海外報道機関で働くミャンマー人記者についても、投票所への立ち入りが制限された。

 ミャンマーでは2007年、同じAPF通信社のジャーナリストの長井健司(Kenji Nagai)さん(当時50)が、僧侶たちによる反軍事政権デモの取材中に射殺されている。(c)AFP

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