【11月4日 AFP】ルーマニアで今年7月、DNA鑑定のためニコラエ・チャウシェスク(Nicolae Ceausescu)元大統領の墓から堀り起こされた遺体が、本人のものと確認された。法医学専門家が3日、同国通信社メディアファクス(Mediafax)に語った。

 元大統領の兄弟および息子から採取したDNA試料と比較し、本人のものと断定した。同じく首都ブカレスト(Bucharest)の墓から掘り起こされたエレナ(Elena Ceausescu)夫人のものとされる遺体に関しては、比較対象の試料が不十分で、断定には至らなかったという。

 元大統領は1965年から共産主義体制下で独裁体制を敷いたが、1989年12月に失脚。夫妻は同25日、「特別軍事法廷」により死刑を宣告され、銃殺された。だが、埋葬の経緯から、遺体の身元については疑惑がつきまとっていた。

 今回のDNA鑑定は、夫妻の3人の子どものうち今も存命のバレンティン(Valentin Ceausescu)さんの要請で行われた。なお、2遺体はDNA試料を採取後、元の場所に埋葬された。(c)AFP

【関連記事】チャウシェスク元大統領夫妻の遺体掘り起こし、DNA鑑定へ ルーマニア