【10月27日 AFP】ロシアの支援を受けて建設されたイラン初の原子力発電所、ブシェール(Bushehr)原発で26日、原子炉に核燃料を装てんする作業が始まった。

 イラン国営テレビが、アリ・アクバル・サレヒ(Ali Akbar Salehi)原子力庁長官の話として伝えた。原発で生産される電力を3か月以内に送電網へ供給することを目指す。

 石油・ガス資源豊富なイランだが、増大する電力需要に応えるための発電所の必要性を主張してきた。今回の作業により、イラン初の原発の稼働は秒読み段階に入った。

 国連安全保障理事会(UN Security Council)に出席中のヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)米国務長官は、「イランが商用原発を持つことは当然の権利だが」と前置きした上で、ナタンツ(Natanz)やコム(Qom)などの核施設で行われていると米国が確信している核兵器開発について、改めて非難した。

 ロシアが核燃料82トンを支援し、使用済み核燃料の再処理も担当する予定。

 イランの核開発をめぐっては、「ウラン濃縮の即時停止」を求める安保理決議を無視したとして、国連が今年6月、4回目となる追加制裁決議を採択している。(c)AFP/Farhad Pouladi

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