【10月23日 AFP】イタリアのナポリ(Naples)近郊の街に欧州最大のゴミ処分場を建設する計画をめぐり、住民と警官隊の衝突が続く中、シルビオ・ベルルスコーニ(Silvio Berlusconi)首相は22日、この地区に1400万ユーロ(約16億円)の補償金を支払う案を提示した。しかし、地元自治体の首長らは建設計画の中止を求め、提案を拒否している。

 現在すでにゴミ処分場がある国立公園内に新たな処分場を建設する計画をめぐり、抗議する住民のデモと警官隊が今週に入り、ナポリ一帯で衝突している。

 衝突の激化を受けて開かれた緊急閣議後、ベルルスコーニ首相は記者会見し、「政府はテルツィーニョ(Terzigno)に総額1400万ユーロの補償金を支払えると約束する」と発表した。

 しかし、地元自治体首長らは「いかなる代償を払っても自分たちの地区を守る」と、提案を拒否している。

 計画は、古代都市ポンペイ(Pompeii)を壊滅させた噴火で知られるベスビオ(Vesuvius)火山の中腹にある国立公園内に、新たな「カヴァ・ヴィッティエッロ(Cava Vitiello)処分場」を作るというものだが、この地区にはすでに処分場がある。

 ナポリ地区のゴミ処分は長らく問題となっているが、ベルルスコーニ首相は問題解決を2008年の選挙で公約に掲げており、公約違反だという批判の声もあがっている。(c)AFP/Ella Ide

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