【10月2日 AFP】ナイジェリアの首都アブジャ(Abuja)で1日、独立50周年記念式典が行われていた会場のそばで自動車に仕掛けられた爆弾が爆発し、少なくとも10人が死亡した。

 警察の報道官は、爆発は2度発生し、近くにいた8人が死亡し、3人が重傷を負ったと発表した。その後、22人の負傷者が運び込まれた病院が救命治療中に2人が死亡したと発表した。この病院はさらに1人が死亡した状態で運び込まれたと発表したが、この1人が警察発表の8人に含まれているのかは不明。

 現場は式典の会場となったイーグル広場(Eagle Square)から歩いて10分ほどの場所で、法務省や連邦裁判所にも近い。破壊された車やガラスの破片、血痕が残っていた。

 死亡者には警察の高官や情報機関のトップも含まれていた。1度目の爆発で人が集まったところに2度目の爆発が起きたことから、犠牲者を増やす目的があったとみられる。

■武装勢力が犯行声明

 武装勢力、ニジェールデルタ解放運動(Movement for the Emancipation of the Niger DeltaMEND)が犯行声明を出した。MENDは爆発の1時間前に事件を起こすことをほのめかし、記念式典の出席者に避難するよう警告していたとして、犠牲者が出たのは警告を無視した政府の責任だと主張している。

 MENDはここ数年、石油収入の公平な分配を求めてナイジェリア国内で攻撃を繰り返してきたが、首都で事件を起こしたのは今回が初めて。

 前年、数千人の武装勢力が政府の恩赦プログラムに署名し、同国の治安は大幅に改善していたが、このところ政府と武装勢力の間の亀裂が再び目立ってきていた。

 ナイジェリアのグッドラック・ジョナサン(Goodluck Jonathan)大統領と国連(UN)の潘基文(パン・キムン、Ban Ki-moon)事務総長、英国、欧州連合(EU)は事件を非難する声明を出した。(c)AFP/Ola Awoniyi