【10月1日 AFP】(一部更新)南米エクアドルで9月30日、公務員の賞与削減などに反対する軍の一部や警官らが空港を占拠したり議会を襲うなど暴徒化し、現場で説得にあたっていたラファエル・コレア(Rafael Correa)大統領(47)が催涙弾による襲撃を受け、病院に搬送された。政府は「反政府勢力や警官らによるクーデター未遂」だとして、非常事態を宣言した。

 コレア大統領のいる病院は暴徒化した警官隊に囲まれ、大統領は一時軟禁状態となったが、政府当局によると大統領派の軍部隊が駆けつけ救出。大統領は同日夜遅くに大統領府に戻ったという。

 コレア大統領は病院内から地元テレビの電話取材を通じて、「大統領は病院からわが国を統治している」と宣言。暴徒化した警察に「拉致された」と非難するとともに、いかなる交渉も拒否するとして「そうするくらいなら死ぬ」と述べた。

 騒乱に先立って、政府に反対する約150人の兵士が首都キト(Quito)の国際空港の滑走路を一時占拠し、数十人の警官がボーナスカットを盛り込んだ法案に反対して抗議活動を行った。

 大統領は、「反政府勢力と軍の一部および警官らによるクーデター未遂」であり、反政府勢力とルシオ・グティエレス(Lucio Gutierrez)元大統領寄りの軍隊に騒動の責任があると指摘。「わたしの身に何かあったら彼らの責任だ」と非難した。 

 政府側は催涙ガスで事態の鎮圧を図っており、秩序回復のためにあらゆる手段をとると宣言した。(c)AFP/Alexander Martinez