【9月22日 AFP】マッチョな夏期休暇が注目を浴びたロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)首相が、露月刊誌のコラムで8月に体験したクジラ撃ちについて、野生との対峙は「いかなる外交儀礼も比べものにならない」と称賛した。

 露誌「ロシアン・パイオニア(Russian Pioneer)」のコラムにプーチン首相は、ロシア極東カムチャツカ(Kamchatka)半島沖の荒海で行ったクジラ撃ちの様子を息もつかせぬ筆致で書きあげ、「動物たちの世界と関わったわたしの職務の中で、おそらく最も興味深い体験だった。いかなる外交儀礼といえども、この比ではない」と感激をしたためた。

 プーチン首相が悪天候の中、ゴムボートでカムチャツカ沖オルガ湾(Olga Bay)に繰り出し、コククジラの生体調査に必要な皮膚サンプルを得るため、荒波にもまれながら洋弓銃をクジラに向ける姿は8月、テレビでも放映された。

■「何をやるかは自分で決める、安全確保は任せた!」

 今回のコラムで首相は、高さ3メートルもの波にボートが転覆しないか恐れていたと吐露する一方で、リスクを楽しんだとも語っている。

「自分がいつ、何を、どのようにやるかは、わたし自身が決める。警備を担当する者たちは、どうすればそれを実現できるか考えさえしてくれればよい。人には新たな刺激が必要。たぶんそれこそが最も重要なことだろう」

 また、科学者たちを「大いに尊敬している」と述べ、彼らは「非常に偉大で重要なことをしながら、私益を乞い求めることはしない、まっとうな人びと」だと表現した。

■クジラの口臭に辟易、「誰かが失敗したのかと…」

 コラムでは、クジラの口臭が非常に強かったことも紹介。「ボート内にいた全員が、誰かに何かアクシデントが起きたのではないだろうかと互いに顔を見合わせたほどだった」と下ネタも披露した。

 プーチン首相がコラムを執筆したのは今回が2回目で、昨年は同誌に「正しいクビの切り方」について書いた。ゴーストライターがいるのかどうかは分かっていない。同誌は露日刊紙コメルサント(Kommersant)のクレムリン番だったアンドレイ・コレスニコフ(Andrei Kolesnikov)編集長が創刊した。

 プーチン首相は今年の夏、クジラ撃ちのほか野生のクマを観察したりと「マッチョな」夏期休暇を過ごした。カメラ映えのするそうした行動は、2012年に行われる次期大統領選への出馬に向けた布石ではないかとの憶測も上がっている。(c)AFP

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