【9月13日 AFP】トルコで12日、司法改革や軍権限を制限する改憲案の是非を問う国民投票が行われた。暫定集計で改憲支持が58%と過半数を超えたため、改憲案は成立する見通し。

 来年の総選挙を前に、イスラム系与党・公正発展党(AKP)が主導する改憲案を国民が支持したことで、AKPが3期目の政権維持に向けて世俗派を大きくリードしたかたちだ。AKPは、2001年に解党命令を受けたイスラム主義政党の穏健派議員らが中心となって結成した政党。

 AKPのレジェプ・タイップ・エルドアン(Recep Tayyip Erdogan)首相は同日、「トルコの民主化に向けた『転換点』だ」と、投票結果を歓迎した。投票率は77~78%だという。

 公式な投票結果は13日に発表されるが、民営ニュース専門チャンネル、CNNトルコ(CNN Turk)は最終的な改憲支持率を57.6%と予測している。

 トルコは政教分離を国是としており、世俗派はAKPが改憲を隠れみのにして、司法を管理下におき全権掌握を目論んでいると主張。改憲案への反対を国民に訴えてきたが及ばなかった。
 
■EU、「正しい方向に向けた第一歩」と評価

 一方、トルコが加盟を切望している欧州連合(EU)は、今回の国民投票結果について「正しい方向に向けた第一歩」と評価しながらも、基本権の保護にはさらなる対策が必要だとのコメントを発表した。

 国民投票が実施された12日は、1980年の無血クーデターから30年にあたる。現憲法はクーデター政権下で成立した。(c)AFP/Sibel Utku Bila