【9月7日 AFP】脱北した北朝鮮人民軍の元兵士らが、北朝鮮の現体制の打倒を目指す脱北者団体「北韓(北朝鮮)人民解放戦線(NK People's Liberation Front)」を結成することが明らかになった。

 同団体のチャン・セヨル(Jang Ce-Yul)事務局長が6日明らかにしたところによると、メンバーは脱北軍人200人あまり。北朝鮮の建国記念日にあわせ、9日に発足式を行う。1997年に脱北した黄長ヨプ(ファン・ジャンヨプ、Hwang Jang-Yop)元北朝鮮労働党書記が顧問を務めるという。

 自身も2年前に脱北しているチャン事務局長によると、脱北軍人らの多くは、現在も人民軍時代の元同僚らと接触を続けている。金正日(キム・ジョンイル、Kim Jong-Il)体制は長くは持たないとみている軍関係者も少なくないのだという。

■元北朝鮮兵士の反北団体は初

 こうした北朝鮮内にいる軍関係者の手を借りて、北朝鮮の厳しい統制をかいくぐって出版物やビデオなどを北朝鮮に持ち込み、兵士の間に広める計画だ。

 また、「北韓人民解放戦線」のウェブサイトによると、同団体は9日、北朝鮮人民軍との関連を証明するため、直近に録音した人民軍関係者との通話内容を公開する。9日の発足式では、金総書記の暗殺を摸したパフォーマンスも行うという。

 韓国には複数の脱北者団体や反北朝鮮体制団体が存在するが、北朝鮮人民軍の元兵士らによるものは「人民解放戦線」が初めて。(c)AFP

【参考】「北韓人民解放戦線」のウェブサイト(韓国語)