【9月3日 AFP】イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相とパレスチナ自治政府のマフムード・アッバス(Mahmud Abbas)議長は2日、ワシントンD.C.(Washington D.C.)で、中東和平直接交渉を1年8か月ぶりに再開した。2週間ごとに首脳会談を実施し、1年以内に恒久的な和平合意を目指すことで一致した。

 ヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)米国務長官も同席した交渉で、ネタニヤフ首相はアッバス議長に対し、イスラエルをユダヤ人国家として承認するよう求めた。

 だがパレスチナ側は、イスラエル国家の承認により、1948年のイスラエル建国時に発生したパレスチナ難民の帰還権が損なわれることを危惧(きぐ)している。

 一方のアッバス議長は、ネタニヤフ首相に対し、すべてのユダヤ人入植地建設の凍結とガザ地区(Gaza Strip)封鎖の解除を求めた。

 なお、パレスチナ自治区ヨルダン川西岸(West Bank)のユダヤ人入植地では前月31日、イスラム原理主義組織ハマス(Hamas)の武装グループがユダヤ人4人を殺害する事件が発生している。ネタニヤフ首相は事件に言及し、和平の実現にはイスラエルの安全保障が確保されなければならないと改めて強調した。

 両首脳は、2回目の会合を14、15日に中東地域で開催することを決めた。まずは、紛争終結と恒久和平を実現する包括的和平条約の土台となる「枠組み合意」を目指すことで合意したという。(c)AFP/Lachlan Carmichael